2026.01.07
BtoB展示会に出展した企業を対象に調査を行ったところ、約3割の企業が「展示会の成果を判断できていない」と回答しました。出展回数や費用規模、小間数といった条件だけでなく、展示会後のフォロー体制の違いによっても、成果の出方に差が生まれていることが分かっています。本記事では、調査結果をもとに、展示会の成果を左右する要因について分析します。
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BtoB展示会に出展した企業へのアンケートから、出展の目的や成果の捉え方、出展回数や費用感、展示会後の対応に関する実態が明らかになりました。
これらの結果から、展示会の成果は出展当日だけでなく、準備や展示会後の対応まで含めた取り組み全体によって左右されることが分かります。それでは、調査結果をもとにさらに詳しく見ていきます。

過去3年間の展示会出展回数について聞いたところ、最も多かったのは「1回」で41.84%でした。次いで「2〜3回」が32.14%となり、全体の約7割が出展経験1〜3回にとどまっていることが分かりました。
一方で「4〜5回」は8.93%と少数であるものの「6回以上」と回答した割合は17.09%を占めており、継続的に展示会へ出展している層も一定数存在している結果となりました。

出展時の小間数について聞いたところ、最も多かったのは「1小間」で41.84%でした。次いで「2〜3小間」が32.91%となり、全体の約7割が3小間以内で出展している結果となりました。
一方「4〜5小間」は11.22%「6小間以上」は14.03%となっており、一定数は比較的大きな規模で出展している企業も存在していることが分かります。

展示会に出展した目的として最も多かったのは「新規リード獲得・商談機会の創出」で57.14%でした。次いで「製品やサービスなど自社ブランドの認知向上・発信」が44.39%となっています。
また「パートナー企業との接点づくり」は39.54%「既存顧客との関係強化」は39.29%と、新規獲得に限らず、既存顧客や将来につながる関係構築を目的とする出展も多い結果となりました。
「その他」と回答した割合は1.02%にとどまり、出展目的は主に新規獲得・認知向上・関係構築の三つに集約されていることが分かります。

1回の展示会出展にかかった費用については「100万円以下」が31.89%と最も多く「101〜300万円」が28.57%と続きました。300万円以下の予算で出展している割合は、全体の約6割となっています。
「301〜500万円」は19.9%となり、中規模の投資を行っている企業も一定数見られます。また「501〜1000万円」は8.67%「1001万円以上」は10.97%となっており、比較的高額な費用をかけて出展しているケースも見られました。
出展費用は低額から高額まで幅広く分布しており、企業ごとに異なる予算感で展示会に取り組んでいる様子がうかがえます。

展示会準備において外部に依頼した業務として最も多かったのは「ブースデザイン・施工」で45.66%でした。次いで「印刷物・資料作成」が43.62%「ノベルティ制作」が37.5%となっています。
「運営・受付スタッフ」を外部に依頼した割合は20.15%にとどまり、当日の運営については自社で対応しているケースが多いことが分かります。また「依頼していない(すべて自社対応)」と回答した割合は26.02%となりました。
これらの結果から、展示会準備ではブース設計や制作物などの専門的な業務は外部に委ねつつ、運営や来場者対応は社内で行う企業が多い傾向が読み取れます。

展示会出展に向けた準備期間については「3〜5か月」が49.23%と最も多い結果となりました。次いで「1〜2か月」が36.99%となっており、全体の8割以上が5か月以内に準備を進めていることが分かります。
「6か月以上」と回答した割合は13.78%にとどまり、長期間をかけて準備するケースは比較的少数派となっています。

出展前の準備段階で困ったことについては「特になかった」が29.85%と最も多い結果となりました。一方で「ブースのレイアウト・デザインをどう決めるか悩んだ」は18.62%「出展費用の相場や全体感が分からなかった」は15.56%となっています。
また「配布資料・ノベルティなどの準備が間に合うか不安だった」は13.78%「社内の調整・承認プロセスに時間がかかった」は8.67%「スタッフの確保や日程調整が難しかった」は8.16%と続き、準備内容や社内調整に関する課題も一定数見られる結果となりました。
準備段階では大きな支障を感じていない企業が一定数いる一方で、ブース設計や費用感、進行管理など具体的な項目で悩みを抱えるケースも少なくないことが分かります。

展示会終了後に感じた課題として最も多かったのは「特に課題は感じなかった」で29.59%でした。一方で「名刺は集まったが、商談や契約にはほとんどつながらなかった」は23.21%「フォローアップの体制が整っておらず活用しきれなかった」は20.15%となっています。
また「効果の振り返りやレポートの指標が曖昧だった」は17.09%と、成果の整理や評価に関する課題も一定数見られました。「SNSやメディアでの露出につなげられなかった」は6.12%「想定よりも社内評価が低かった・反省点の整理ができなかった」は3.83%にとどまっています。
展示会後については大きな問題を感じていない回答が一定数ある一方で、商談化やフォロー、成果の整理といった出展後の対応に課題を感じている企業も少なくない結果となりました。

展示会出展後の成果については「商談や打ち合わせに発展した」が34.18%と最も多い結果となりました。次いで「新規契約・受注につながった」が26.79%「ブランド認知・メディア露出が広がった」が24.23%と続いています。
「名刺獲得数が目標以上だった」と回答した割合は19.39%となり、一定の接点創出を成果として捉えているケースも見られました。一方で「成果があったかどうか判断がつかない・感じられなかった」は30.87%を占めており、成果の有無を明確に捉えきれていない回答も少なくない結果となっています。
展示会後の手応えについては、商談化や受注といった具体的な成果を実感している層がある一方で、成果の評価が難しいと感じている層も一定数存在していることが分かります。

展示会への出展継続状況は「毎年または定期的に継続して出展している」が40.05%と最も多い結果となりました。次いで「年によって出展しているが、継続とは言えない」が32.14%となっています。
また「これまでに1回しか出展していない」は15.82%「以前は出展していたが、現在はやめている」は11.99%となり、出展を継続していない、もしくは判断が定まっていない層も一定数見られます。
展示会出展については、継続的に取り組む企業がある一方で、出展の位置づけを模索している企業も少なくない状況が示されています。

出展を継続していない、または迷っている理由として最も多かったのは「準備や運営の負担が大きすぎた」で38.3%でした。次いで「費用対効果が合わなかった」が34.04%となっています。
また「他のマーケティング施策の方が効果的だと感じた」は23.83%となり、展示会以外の手法との比較で判断しているケースも見られます。「社内体制・人員の都合で継続が難しかった」は15.32%「社内での評価・理解が得られなかった」は12.77%となっています。
これらの結果から、出展継続の判断には、成果そのものだけでなく、準備や運営にかかる負荷、社内での位置づけや評価も大きく関係していることが分かります。

「新規リード獲得・商談機会の創出」を出展目的に挙げた企業を出展回数別に見ると、1回のみの出展では35.3%であるのに対し、6回以上出展している企業では22.8%を占めています。2〜3回出展、4〜5回出展の層でも一定の割合が見られ、出展回数を重ねる企業ほど、展示会をリード獲得や商談創出の場として活用していることが読み取れます。
また、パートナー企業との接点づくりや既存顧客との関係強化、ブランド認知向上といった目的についても、出展回数に応じた分布が見られます。展示会を単発の施策としてではなく、継続的な営業・マーケティング活動の一部として位置づけている企業が一定数存在していることが分かります。

出展回数別に展示会後の成果(手応え)を確認すると、出展回数が多い企業ほど成果を実感している割合が高いことが分かります。「名刺獲得数が目標以上だった」「商談や打ち合わせに発展した」と回答した割合は、6回以上出展している企業で最も高くなっています。
一方で、出展回数が少ない企業ほど「成果があったかどうか判断できない/感じられなかった」と回答する割合が高い傾向にあります。特に1回のみの出展では、この回答が65.3%を占めており、初回出展では成果を可視化しにくい状況にあることがうかがえます。
これらの結果から、展示会の成果は単発の出展だけでは捉えにくく、出展を重ねることで商談化や受注といった具体的な成果につながりやすくなる傾向が示されています。

出展小間数別に展示会の目的を確認すると「新規リード獲得・商談機会の創出」は、1小間(35.7%)および2〜3小間(35.7%)で高い比率を維持しています。比較的小規模な出展においても、リード獲得や商談創出を主目的として展示会を活用している企業が多いことが分かります。
一方で「パートナー企業との接点づくり」や「既存顧客との関係強化」といった関係性強化を目的とする割合は、2〜3小間以上の中〜大規模出展で高まる傾向が見られます。また「製品やサービスなど自社ブランドの認知向上・発信」についても、小間数が増えるにつれて一定の比率を占めており、出展規模に応じて展示会の役割を広く捉えている様子が読み取れます。
展示会は小間数にかかわらずリード獲得の場として活用される一方で、出展規模が大きくなるほど、関係構築やブランド発信といった中長期的な目的を含めた活用が進んでいることが示されています。

出展小間数と1回あたりの出展費用をクロスで見ると、1小間では「100万円以下」が8割を占めており、比較的低予算での出展が主流となっています。一方、4〜5小間では「301〜500万円」が中心となり、出展規模の拡大に伴って投資額も明確に増加しています。
さらに、6小間以上の出展では「501〜1000万円」や「1001万円以上」が大半を占めており、大規模出展になるほど、装飾や施工、運営を含めた本格的な投資が行われていることが分かります。この結果から、出展小間数は単なるスペースの違いだけでなく、展示会にかける予算規模や取り組み姿勢の差としても表れていることが読み取れます。
出展規模に応じて費用水準が明確に分かれている点は、展示会をどのレベルの施策として位置づけるかを判断するうえで、重要な参考情報と言えるでしょう。
本調査から、展示会の成果は当日の対応だけで決まるものではなく、事前準備・当日の接点設計・展示会後のフォロー体制までを含めた全体設計によって左右されることが分かりました。
新規リード獲得を目的とする企業ほど、「名刺は集まったが商談につながらなかった」「成果をどう評価すればよいか分からない」と感じており、展示会を営業プロセスにどう接続するかが大きな課題となっています。
また、準備段階ではデザイン判断や費用感、制作物の進行管理に悩む声が多く、展示会後にはフォロー体制や成果の可視化が不十分だと感じている企業が目立ちました。展示会で得た接点を継続的な商談につなげる運用が整っていない実態がうかがえます。
出展を継続している企業は商談化や受注、露出といった手応えを感じている一方、継続を迷っている企業は負荷の大きさや費用対効果の不透明さを理由に挙げています。展示会は単発施策ではなく、運用次第で成果が大きく変わる継続型の施策であることが分かります。
こうした結果を踏まえ、展示会をより効果的に活用するために重要なポイントは次の3点です。
出展目的が新規リード、商談、既存顧客対応、ブランド認知のいずれであっても、その目的がブース設計や訴求内容、スタッフ対応に一貫して反映されていなければ成果は出にくくなります。目的から逆算した体験設計が重要です。
商談化や受注につながっている企業ほど、費用や小間数を目的に合わせて設計しています。小規模出展では接点が限定されやすく、一定規模以上の投資によって商談スペースや訴求力を確保できるケースも多く見られました。目的に合った投資配分が成果を左右します。
展示会後のフォロー不足や評価指標の曖昧さは、出展継続を妨げる要因となっています。SFAやCRMへの登録、早期フォロー、商談化、振り返りまでを一連の流れとして管理し、成果を可視化することが重要です。
展示会を一度きりの施策として終わらせるのではなく、営業・マーケティング活動の中にどう組み込み、次につなげていくか。その視点を持つことが、成果を高める第一歩となります。
本調査の結果を基に作成した「BtoB展示会動向調査レポート(PDF)」は、情報登録不要で無料ダウンロードいただけます。ぜひご活用ください。
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