2025.11.26
展示会では、多くの企業が出展する中で「いかに印象に残るか」が成果を分けるポイントになります。とくに「おしゃれなブース」は、来場者の目を引くだけでなく企業のブランド力や提案力を体現する空間そのものです。
しかし現場では「見た目ばかり重視して動線が悪い」「こだわりすぎて費用が膨らんだ」といった声も少なくありません。この記事では、デザイン性と集客導線を両立させる展示会ブースの考え方と事例を交えてわかりやすく解説します。
出展の目的設計から効果測定の仕組みづくりまで、
戦略的な出展支援をご提案します。

おしゃれな展示会ブースが求められる背景には、来場者の心理と展示会の構造的な課題があります。BtoB展示会来場者の動向調査においては、「ブースを訪問する際にデザインが判断に影響するか?」という質問に対し、80.5%が「影響する」と回答しました。
来場者は限られた時間で多くのブースを回るため、一瞬で「立ち止まる価値があるか」を判断します。おしゃれなブースは第一印象で来場者の注目を集められるだけでなく、他社とも差別化しやすいのが特徴です。
ブランドイメージを空間で表現でき、ブースの世界観が「企業らしさ」を伝える武器になります。洗練されたデザインは、来場者に心地よさや興味を与え、担当者への声かけのハードルを下げる効果にも期待が出来ます。
おしゃれな展示会ブースデザインで失敗しがちな主なパターンとしては、以下5つが考えられます。
情報過多になると伝えたいことを詰め込みすぎて、キャッチコピーや訴求ポイントが埋もれてしまい、来場者が何を伝えたいブースか理解できずに印象が薄くなります。
動画モニターやタブレットを置いても操作が複雑だったり、音量が大きすぎたりするとデジタル演出の活用不足となり、見てもらえないばかりか逆に煩わしいと感じられることも少なくありません。
装飾やデザインばかり意識して、接客スタッフの動きや説明準備を軽視すると、せっかく来場しても質問に答えられず、商談につながらなくなります。流行のデザインや色を取り入れすぎて、自社ブランドの雰囲気と合わないなどズレた装飾をすると来場者に違和感を与え、ブランド認知や信頼度が下がりかねません。
また、展示物を見るだけで体験できる工夫がないと記憶に残らず、SNSなどでシェアされにくいため、思っていたような効果が得られない可能性があります。
展示会ブースを「お洒落に」仕上げるには、単なる見た目の美しさだけでなく、ブランドの世界観を表現しつつ、来場者を惹きつける空間演出が求められます。特に初見の来場者に「立ち寄りたい」と思わせる第一印象の設計が鍵となります。
以下の10のポイントを意識すると、見た目と実用性を両立させた成果につながるブースづくりが可能になります。
例えば、SNS映えを狙う場合は、企業キャラクターのフォトスポットや撮影映えする什器配置などを工夫し、来場者の自発的な発信を促す設計が効果的です。
また、限られたスペースでも「どこに注力するか」を見極め、商談と体験のエリアを明確に分けることで、情報過多や滞留を防ぎながらブランドの魅力を最大限に引き出せます。
ここでは、実際に制作した展示会ブースのデザイン事例をご紹介します。企業の目的やブランドイメージに合わせた設計意図や空間演出の工夫を、写真とともに解説します。

デフィデ株式会社さまのブースは、クライアントの要望を反映したシンプルかつ洗練されたデザインが特長です。コーポレートカラーである黒と緑を基調とし、高級感と清潔感を両立した空間を実現しました。来場者が実際にサービスを体験できるよう展示台を配置し、製品機能だけでなく、導入メリットまでを視覚的に伝える構成としています。
また、1面を開放する設計により圧迫感を軽減。壁面の高さを活かしたレイアウトで、空間に広がりを持たせつつ遠方からの視認性も確保し、自然な導線で来場者の関心を引く工夫がなされています。
参考:https://linkstrategy.jp/work/work-8815/

デジタルスキルは一部の専門職だけでなく、すべての職種に求められるという考え方をテーマに、「DX人材とは何か?」を軸に設計された展示ブースです。来場者がその考えに共感し、自身の学びに価値を見出せるよう、導入の流れをストーリーとして空間内でわかりやすく伝える構成としました。
デザインはブランドイメージをもとに洗練された印象で統一し、十分な広さと回遊性を確保。各エリアには明確な役割を持たせ、視覚的なボリューム感を維持しながら運営効率とコストバランスにも配慮しています。
また、来場者がサービスを実際に体験できるデモスペースや、企業キャラクターと撮影できるフォトスポットも設置し、体験性と情報拡散の両面を意識した設計となっています。
参考:https://linkstrategy.jp/work/work-9413/

空間全体を開放的に設計し、来場者の心理的ハードルを下げた展示ブースです。正面・側面のどこからでも自然に入れるレイアウトを採用し、立ち寄りやすさを高めています。ブース中央には円形の製品展示スペースを設け、動線の起点としても機能する構成に。さらに上部構造も円形で統一し、空間に視覚的な一体感をもたせています。
展示製品のひとつである福利厚生向けロボット「LOVOT(ラボット)」は、注目を集めるアイキャッチとしても効果的に機能し、来場者との会話や商談のきっかけとなるよう設計されています。視認性・回遊性・ブランド表現のバランスが取れたブースデザインです。
参考:https://linkstrategy.jp/work/work-10992/
展示会ブースを「おしゃれにしたい」と考えたとき、単に見た目を整えるだけでは不十分です。成果に結びつけるためには、以下のような視点が意識しましょう。
出展の目的(例:認知獲得・商談獲得)を明確にし、その目的に応じて伝えるべきメッセージや空間設計を整理しましょう。
名刺交換数、商談数、体験回数などのKPIを設定し、ブースの各要素がそれらの達成に貢献する設計になっているかを確認します。
「写真を撮りたくなる」「体験して話したくなる」など、来場者がブースにとどまる動機づけを空間に盛り込むことが重要です。
何のために投資するのか」を明確にすることで、社内の稟議や関係者の理解を得やすくなります。
「かっこいいブースにしたい」ではなく、「何のために投資するのか」を明確にすることで、社内の稟議や関係者の理解を得やすくなります。
展示会ブースのデザインの依頼においては、時期や相談内容について疑問点が浮かぶ方も多くいます。以下によくある質問をまとめたので、参考にしながらスムーズな相談や依頼を進めましょう。
最低でも開催の2〜3ヶ月前、理想は4ヶ月前にはご相談ください。ブースの位置確定や社内調整、施工の準備期間も考慮すると早めの依頼がスムーズです。
はい、問題ありません。目的やターゲット整理の段階からご一緒にプランを作ることも可能です。漠然としたイメージでもお気軽にご相談ください。
小間数やデザインの複雑さによって異なりますが、1小間あたり30〜80万円が目安です。ご予算に応じて最適な提案をいたします。
もちろん可能です。見せ方を工夫することで、コストを抑えつつ印象的な空間演出は十分実現できます。共通素材の活用や設営工数の最適化などご提案します。
初出展の企業さまにも、設計・施工・当日の流れまで一貫してサポートしています。実績豊富な担当者が担当し、必要なことを丁寧にご案内いたします。
展示会ブースは、企業の第一印象を決める「空間メディア」です。「おしゃれなデザイン」は注目を集める強力な要素ですが、それだけでは集客や商談には繋がりません。
導線・メッセージ・体験設計とのバランスを考慮し、「目的達成のための戦略的な設計」を見直すことが、展示会の成果を高める第一歩です。展示会の成果を高める第一歩は、空間を“戦略的にデザイン”する意識から始まります。
本記事の内容を参考に、効果の出るおしゃれなデザインを意識しましょう。
展示会ブースデザインでお悩みの方は、リンクストラテジーにぜひご相談ください。
私たちは、ただ“見た目を整える”だけの装飾ではなく「誰に、何を、どう伝えるか」を考え抜いたデザインをご提案しています。訴求力のあるブース設計、限られた予算内での最適化、展示会後も活用できる設計など、ブランディングと実務の両面からサポートが可能です。
「1小間でもしっかり目を引く装飾にしたい」
「コストを抑えながらも印象に残るブースにしたい」
そんなご要望にも柔軟に対応いたします。
また、弊社が運営する「展数ナビ」では、
など、担当者の負担を減らしながら効果的な出展を支える実務ツールを完備しています。
「何から始めればいいかわからない」「限られたリソースで成果を出したい」といったお悩みがある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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