2025.09.25
展示会では多くの来場者と出会える一方で、「名刺は集まったのに商談につながらない」という悩みを抱える担当者は少なくありません。名刺交換を単なる挨拶や形式にとどめてしまうと、その後のビジネスチャンスは生まれにくいのが実情です。
重要なのは、名刺交換を商談への入口と捉え、交換後のフォローまでを一連の流れとして設計することです。
本記事では、基本マナーにも触れつつ、名刺交換を成果に直結させるための実践的なコツとフォロー方法を解説します。
出展の目的設計から効果測定の仕組みづくりまで、
戦略的な出展支援をご提案します。
展示会における名刺交換は、単なる挨拶や形式ではなく、出展者と来場者が最初に接点を持つビジネスコミュニケーションの起点です。
出展者にとって、名刺交換は以下のような重要な役割を果たします。
特にBtoB展示会では、名刺交換をどれだけ質を高く・効率的に行うかが、展示会の成果を左右します。ただ名刺を「集める」のではなく、「次につながる接点づくり」として、戦略的に設計することが重要です。
展示会では多くの名刺を集めることはできても「その後の商談につながらない」「連絡しても反応がない」といった課題を抱える企業は少なくありません。名刺交換数=成果ではないという現実が多くの出展者を悩ませています。
主な原因は、名刺交換が形式的な行為で終わっている点にあります。例えば、挨拶だけで相手の課題を引き出せていなかったり「誰と名刺交換すべきか」というターゲット設定が曖昧だったりするケースです。
名刺交換を数集めから関係構築の入口に変えるには「誰と」「なぜ」交換するのかを意識したアプローチが不可欠です。
名刺交換はあくまでスタート地点。商談や受注につなげるには、交換後の動き方がすべてです。ここでは、成果につなげるための5つのステップを紹介します。
名刺交換をただの挨拶で終わらせず「どのような課題をお持ちですか?」「こんなサービスもあります」といった軽い会話で相手の関心を引き出しましょう。
「後日、資料をお送りしますね」など、次のアクションをその場で約束することが、関係の起点になります。短いやり取りでも、接点の質を意識することが、その後の展開を大きく左右します。
交換した名刺は、展示会終了後できるだけ早く、名刺管理アプリやCRMに登録しましょう。企業名や業種、会話内容などを簡単にメモしておくことで、次のアプローチがスムーズになります。
「展示会リード」としてタグ付け・分類しておけば、他の営業施策と混ざらず管理でき、後のフォローやナーチャリング(育成:見込み客との関係を育てる活動)の精度が上がります。
展示会終了後は、可能な限り早くお礼メールを送りましょう。感謝を伝えるだけでなく、当日の会話に少しでも触れることで「しっかり覚えてくれていた」と相手に好印象を残せます。
資料URLやウェブサイトの導線を添えれば、自然な情報提供にもつながります。一斉送信であっても、件名や1文をカスタマイズするだけでパーソナライズされた印象になり、メールからの反応率を左右します。
メルマガ・ホワイトペーパー・セミナー案内などを通じて継続的に接点を持つことが重要です。関心度や反応に応じてリードスコアを付けることで、営業が優先的にアプローチすべき相手が明確になります。
継続的なコンタクトがあることで、信頼関係が生まれ、いざというタイミングでスムーズに商談へ移行しやすくなります。ナーチャリングは、営業負荷を軽減しつつ成果を高める土台となります。
関心が高まり、反応が明確に表れたリードには、営業がタイミングを逃さずアプローチしましょう。個別のニーズに合わせた商談打診やデモ提案など、1対1での接点が重要になります。
「名刺交換100枚→商談10件→成約2件」といったKPI設計を行えば、チーム全体で目標を共有しやすくなります。マーケティングから営業への連携フローが整っていれば、リードの取りこぼしを防ぎ、展示会のROIも着実に高めることができます。
名刺交換は「何枚集まったか」だけで評価するのではなく、質と次のアクションまでを含めたKPI設計が大切です。以下は代表的な指標の例です。
指標 | KPI例 |
名刺交換数 | 200枚 |
有効リード数 | 会話・関心あり:80件 |
フォロー接触率 | お礼メール送付率:100%/返信率:20% |
商談化率 | 有効リード80件 → 商談10件 |
成約率 | 商談10件 → 受注2件 |
KPIは、自社の出展目的や営業プロセスに合わせてカスタマイズすることが前提です。また、数字だけを追うのではなく、「なぜ届かなかったのか」「どこで離脱したのか」といったプロセスの振り返りに活用することが大切です。
目標達成の有無だけでなく、そのプロセスを可視化して改善に活かす視点が求められます。
名刺交換は来場者との最初の接点であるため、準備不足や対応ミスがあるとせっかくの出会いを活かせないことも少なくありません。ここでは、名刺交換で失敗しないための注意点を紹介します。
開催日数と来場者数を見積もり、余裕を持って名刺を準備しましょう。
ブース内スタッフ全員に十分な枚数を持たせ、さらに予備をブース内に保管しておけば、途中で補充ができます。名刺切れは大きな機会損失になるため、最初の備えが重要です。
挨拶と同時ではなく、軽い会話を交わしてから渡すと自然です。相手が名刺を出そうとしたタイミングに合わせ、立って両手で渡しましょう。机越しや座ったままは避け、渡す際には社名や肩書をしっかり名乗ることで信頼感が生まれます。
名刺交換時に自社の特徴を一方的に伝えるのは逆効果です。まずは来場者の目的や関心を質問し「相手の話7割、自社の紹介3割」程度のバランスで会話するのが理想です。聞き役に回ることで相手のニーズを引き出せます。
受け取った名刺は、すぐにしまわずテーブルの上に並べておきましょう。相手の顔と名前を一致させる助けになり、丁寧な印象を与えます。商談が終わったら、名刺入れに丁寧にしまいましょう。
挨拶直後よりも、軽い会話で相手の関心を確認した後が自然です。相手が名刺を出そうとするタイミングに合わせるとスムーズです。
両手で正面を向けて差し出すのが基本です。机越しや座ったまま渡すのは避けましょう。受け取った名刺はすぐに名刺入れにしまわず、軽く目を通してから置くと丁寧です。
無理に迫らず、「また機会があればぜひ」と一言添えて引くのがマナーです。代わりに会社パンフレットや資料を手渡し、後日の接点につなげる工夫をしましょう。
興味のない相手でも露骨に断ると印象を悪くします。「本日はご挨拶だけで失礼します」や「資料は拝見いたしますが、名刺交換は控えさせてください」と柔らかく伝えると良いでしょう。
すぐにお詫びを伝え、連絡先を伝えるか、後日郵送・メールで送る旨を約束します。展示会では想定以上の交換が発生するため、予備を多めに準備しておくことが大切です。
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