2025.04.11
展示会に出展する企業にとって、ブースデザインの良し悪しは「集客」と「商談成果」を左右する重要なポイントです。競合がひしめく会場でリードを効果的に獲得するためには、見た目の工夫だけでなく、レイアウトや装飾を含めた戦略的な設計が求められます。
本記事では、競合と差をつけるブースデザインの考え方や集客力を高める装飾の工夫、さらに商談につなげるためのポイントをご紹介します。展示会で成果を上げたい企業の皆さまに向けた実践的なヒントをお届けします。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000104.000049614.html
近年、BtoB企業の間で展示会の活用が再び注目を集めています。株式会社ラクスの調査によると、売上高100億円未満の企業がマーケティング予算で最も実施している施策は「展示会」(47.6%)であり、Web広告やSNSマーケティングを上回る結果となりました。費用対効果が高いと感じている企業も多く「問い合わせ数の向上」を実感しているという声も多く聞かれます。
特にBtoB向けの展示会では、来場者が業界関係者や決裁者層であることが多いため、獲得できるリードの質が高い点も大きなメリットです。また、その場で製品やサービスを直接紹介できるため、ニーズの高いリードを効率的に獲得でき、商談や受注へとつながりやすいのが特徴です。
展示会ブースは、単に製品やサービスを並べる場所ではありません。企業の姿勢や価値観を伝える“コミュニケーションの場”です。限られた会期の中で来場者の目を引き関心を持ってもらうには、見た目のインパクトと機能性を兼ね備えたブース設計が不可欠です。
BtoB展示会では、競合他社が多数出展している中で「自社らしさ」や「違い」を打ち出せるかが問われます。ブランドカラーやロゴを活かした統一感のあるデザインは、複数回の出展を通じて来場者の記憶に残りやすくなり、ブランディング強化にもつながります。
一方で「他社と似たようなブースになってしまった」「印象に残らなかった」という課題も少なくありません。せっかくの出展機会を成果につなげるには、見た目以上の“戦略的設計”が求められます。
また、ブースの完成度は来場者に「この会社は信頼できそうか」「展示会に本気で取り組んでいるか」という印象を与える重要な要素です。最低限のクオリティが確保されていないと、製品やサービスの価値すら正しく伝わりません。
「製品の独自性や優位性をデザインでどう表現するか」「来場者がひと目で価値を感じられる構成になっているか」こうした観点から、企業ごとのトーン&マナーを踏まえたガイドライン設計が成果につながる第一歩となります。
まず重要なのが「基本設計」です。ブースの位置や形状・導線といった物理的な要素は、集客力を左右する土台となります。例えば出入り口付近やメイン通路沿いは人の流れが多く、有利に働くことが多い一方で、あえて会場の中央や角地を選ぶことで、落ち着いた商談スペースを確保できるという利点もあります。
また、オープンなブースデザインは気軽に立ち寄ってもらいやすく、クローズドなブースデザインは集中した商談に適しています。どちらが良いかは、目的と来場者層によって変わります。
さらに、来場者の滞在時間を延ばすためには自然な動線設計と視認性が重要です。ブランドカラーやロゴを効果的に使い、印象に残るブースデザインを構築しましょう。映像や照明、デジタルサイネージなどの演出を組み合わせることで、来場者の足を止める仕掛けが生まれます。
ブースに興味を持ってもらうには、ひと目で内容が伝わるデザインと、立ち寄りやすい導線設計が大切です。
デザイン面では「オリジナリティ」「高さ」「照明」の使い方がポイントになります。遠くからでも目に留まるビジュアルや、通路からの見え方を工夫することで来場者の足を止めやすくなります。キービジュアルやキャッチコピーは、来場者の視線の流れに合わせて配置すると自然なかたちでブース内へ誘導できます。
また、ターゲットに合わせた雰囲気づくりも重要です。たとえばBtoB向けなら「信頼感」、BtoC向けなら「親しみやすさ」が伝わるように色使いや装飾を工夫しましょう。製品やサービスの価値は、課題解決までの流れや導入後のイメージを交えて伝えることでより共感を得られます。
レイアウト設計では「開放感」と「落ち着いて話せる空間」のバランスが鍵になります。入りやすさとじっくり商談できる環境の両立を意識しましょう。
展示会では、ただリードを集めるだけでなくその場での対話を通じて商談につなげることが大きな目的です。そのためには、ブース内のレイアウトに「話しやすさ」と「過ごしやすさ」を意識した工夫が必要です。
例えば、通路側に立ち話がしやすいカウンターを配置することで、自然な声かけや短時間の会話が生まれやすくなります。じっくり話したい来場者には、奥に椅子やテーブルを備えたスペースを設けることで安心して相談できる環境を整えることができます。
また、製品や資料の配置もポイントです。興味を引きやすい場所にデモ機を置いたり、商談に移りやすい導線上に情報パネルを配置したりすることで、来場者の関心をスムーズに深める設計が可能です。
ここでは、リンクストラテジーが手がけたブースデザインの実例をご紹介します。限られたスペースやコストの中で、どのように集客や商談につなげたのか。目的に応じた設計の工夫をお伝えします。
■展示会名:第18回ライフスタイルWeek[夏] ■企業名:株式会社デジフォースさま
ダークグレーの壁面に社名とコンセプトメッセージ、QRコードのみを貼った、装飾を最小限に抑えたシンプルなブース。モニターを使わず、展示台の高さや配置を工夫することで、製品本来の魅力を際立たせる設計になっています。情報をあえて絞ることで視線を集めやすくし、QRコードからのWeb誘導にもつながる構成です。限られたコストの中でも、伝えたい価値がしっかりと伝わるブースに仕上がっています。
■展示会名:NexTech Week 2024[秋]
■企業名:株式会社Progateさま
三面開放型のレイアウトにより、来場者が自由に回遊できる開放的な空間を設計。通路際での圧迫感を感じさせず、自然とブース内に誘導できるつくりになっています。サービス導入の流れはストーリー仕立てで紹介され、来場者が理解を深めやすい構成に。さらに、プログラミングのデモ体験やフォトスポットを設けることで、体験を通じて「もっと知りたい」という意欲を引き出し、ブースでの滞在時間を伸ばす工夫が施されています。動線とコンテンツの工夫が、リード獲得率の向上につながった事例です。
■展示会名:第14回 COSME Week 東京
■企業名:オリラボ株式会社さま
再生資材であるミルダンや紙管を活用し、ブース全体をサステナブル素材で構成した環境配慮型の展示ブース。通路際にスペースを設けることで、来場者が自由に出入りしやすい設計となっており、圧迫感なくナチュラルで清潔感のある空間を演出しています。グリーン装飾や素材選びには企業理念が反映されており、ブランドの価値観をブース全体で表現。美容・ライフスタイル業界において、ブランドイメージを強烈に印象づけるブースとなりました。
展示会は、リード獲得・商談機会の創出・ブランド認知の向上を同時に実現できる、効果的なマーケティング施策のひとつです。その中核を担う「ブースデザイン」は、単なる装飾ではなく来場者との接点を最大化するための重要な要素として位置づける必要があります。
ターゲットに合わせたレイアウトや展示装飾・動線設計は、いずれも成果につながる重要な構成要素です。自社の強みをどう見せ、誰に届けるのか。目的を明確にしたうえで設計を見直すことが展示会を「成果の場」へと変えていきます。
これからはじめて展示会に出展される方もすでに出展経験のある方も、ぜひ戦略的なブースづくりでビジネスを成功につなげていきましょう。
リンクストラテジーでは、戦略的なブース設計と豊富な実績をもとにBtoB企業の展示会出展をトータルでサポートしています。単なる装飾ではなく「成果につながる設計」にこだわり、集客から商談への導線を丁寧に設計します。
例えば、以下のようなポイントに重点を置いてご提案しています。
展示会ブースのデザインや施工についてお悩みの方は、ぜひ一度リンクストラテジーにご相談ください。貴社の目的やターゲットに合わせた最適なブースづくりを、私たちが一緒に考えます。
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